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designing|デザインビジネスマガジン

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デザインの可能性を探究するメディア『designing』のnoteです。事業に寄与するデザインから、クラフト・クリエイティブ、デザイン思想・倫理、広義にデザインと捉えられる活動ま… もっと読む
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2022年4月の記事一覧

混沌の中、「私たちは何を教えるのか?」を問い続ける——サービスデザイン研究者・吉橋昭夫

「デザインという言葉だけをつかまえて定義しようとすると、難しいですよね。創造性……クリエイティビティのようなものは、そのコアにあるかもしれないですけど」 サービスデザイン研究の国内第一人者・吉橋昭夫は、静かに口を開く。 デザインとは何か、デザイナーはどうあるべきか。デザインの対象領域が拡大し、身につけるべきと言われるスキルも加速度的に増えている。その中、デザイン教育は何を伝え、どのような役割を担っていくべきなのか——この問いと向き合うべく、designingはデザイン教育

デザイン読書補講 14コマ目『自分の〈ことば〉をつくる あなたにしか語れないことを表現する技術』

こんにちはこんばんは、吉竹です。 この『デザイン読書補講』は「デザインを学び始めた人(主に学生)の世界を少しでもひろげられるような書籍をおすすめする」をコンセプトに連載しています。 わたしの自己紹介や、この連載が生まれた経緯は1コマ目『UX・情報設計から学ぶ計画づくりの道しるべ』で書いていますので「どういう人が書いているんだろう?」と気になった方は合わせて読んでみてください。 今日の1冊デザイン読書補講14コマ目にご紹介するのは、細川英雄『自分の〈ことば〉をつくる あな

デザイナーとは二律背反である──書評『行政とデザイン』

いま、行政の世界でデザインが注目を集めている。 「デザイン」という言葉の及ぶ範囲が広がるにつれ、「デザイナー」はさまざまな分野で活躍するようになった。その影響力は今後も増していくはずだ。たとえば2020年のLinkedInの調査では、UXデザイナーはアメリカで「需要のあるハードスキル」のトップ5に入ったという。「行政とデザイン」も、デザイナーの活動範囲が広がっていることの証左と言えるかもしれない。 「行政とデザイン」という組み合わせを聞くと、まるで「水と油」のような感覚を