Wantedlyとともに、デザイナーのキャリアを拓く取り組みを始めます
デザインの可能性が「広がり続けること」は、デザイナーが可能性を「広げ続けられること」とは必ずしも同義ではない。
無論、その可能性を最大限活かし、新たな価値創造や価値発揮、課題解決、意味を見出す者もいる。他方で、増え続ける選択肢から選び取る負荷やその責任が増え続けるともいえるのではないか。
その中で、デザイナーがどうその“道筋”を見出すか——designingでは、その補助線を引くべく、ウォンテッドリー株式会社が運営するビジネスSNS「Wantedly」とコラボレーション。デザイナーのキャリアを切り拓くための取り組みを始めることとなった。
キャリアの“軸”を見出す2つのアプローチ
本取り組みは、大きく分けて二つからなる。
一つ目は、デザイナーが経験や強みを活かし活躍するためのきっかけをつくる「Official Profile」の公開。多様な領域で活躍する方々にキャリアの転機や仕事に込める想いなどを取材し、その内容をWantedlyのプロフィールという形でまとめ、発信する取り組みだ。
これまでにも、職種や業界の垣根を超えて活躍する方々のOfficial Profileが数多く公開されてきた。
今回は、デザイナーがキャリアの“軸”を見出すうえでのヒントとなるようなOfficial Profileを届けられればと考えている。働き方もキャリアの道筋も多様化が進む中では、個別具体の選択だけではなく、「なぜその道を選ぶのか」という判断軸こそ重要になる。
自ら道を切り開いてきた方々のキャリアや思考に触れることは、キャリアの軸を考えるうえで、足掛かりにも刺激にもなるはずだ。
本取り組みは数カ月連続の取り組みとなる。初月には以下5名の方の「Official Profile」公開を予定している。(以下、五十音順。Official Profileは順次ウォンテッドリーの公式Twitterより公開予定)
小玉千陽氏|THE GUILD STUDIO / ium inc. 代表
佐々木智也氏|PARK Inc. 代表・アートディレクター
佐宗純氏|株式会社グッドパッチ ReDesigner事業責任者兼キャリアデザイナー
花城泰夢氏|BCG Digital Ventures. Partner & Director Experience Design
松薗美帆氏|株式会社メルペイ UXリサーチャー
小玉氏、佐々木氏に関しては、以前designingでもインタビューを実施。キャリアの変遷も伺っている方々だ。
また、今回のOfficial Profile公開はデザイナーにとって発信手段の選択肢を増やすことにもつながると考える。
Wantedlyのプロフィールが持つ特徴の一つに、キャリアの背景にあるストーリーや個性も合わせて整理・発信しやすい点がある。結果としての実績や職歴だけでなく、「実は数年前に経験したあの仕事が、今の仕事につながっている」、「この仕事を選ぶにあたり、こうした考えや信念があった」など、結果の裏にある個性や思考、想いの軌跡も合わせて可視化し、表現しやすい仕様となっている。
既存の履歴書やポートフォリオサービスでは、伝えられる情報量や表現の幅に限りがあり、背景やその連続性までを伝えるには苦戦する場面も少なくない。他方で、一から文章等で表現するには時間や技術的な制約、発信に対する心理的ハードルといったさまざまな壁も存在するだろう。
Wantedlyのプロフィールは、発信の必要性を感じながらも思い通りにそれができていないデザイナーにとって、有効なツールの一つになるはずだ。
二つ目は、第一線で活躍するデザイナーの転機に迫るトークイベント「ぼくらの転機」の開催だ。
ぼくらの転機は、毎回一人ゲストを迎え、その方のキャリア、ひいては人生における転機や印象深い出来事などを伺っていくトークイベントシリーズ。Official Profileと同様、デザイナーがキャリアの軸を見出すうえでのヒントを届けるべく開催する。
12月2日に開催予定の次回は、PARK Inc. 代表・アートディレクターの佐々木智也氏がゲスト。Official Profileで取材した内容にも触れながら、キャリアやその裏にある思考の変遷を紐解いていく。
より広い射程で、デザイナーの可能性を拓く一助に
先日公開した事業移管の記事でも言及したが、 designingは今後多様なステークホルダーと連携を重ねながら、「デザインを通し文化の土壌を耕す」というパーパスへ近づくべく活動を推進していく。
すでに公開している日本デザイン振興会との案件もその一環だが、こちらはデザイン領域に特化したもの。
一方、「シゴトでココロオドルひとをふやす」をミッションに掲げるウォンテッドリーとのコラボレーションは、より射程を広く見据えつつ、デザインの(およびデザイナーの)可能性を拓く一助になると確信している。
今後も、記事やSNSを通して続報をお伝えしていく。是非、楽しみにしていただきたい。
[文]栗村智弘[編]小山和之