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Netflixはどのように“柔軟性”をデザインしているか?

本記事はWill Fanguy氏がinVision Blogに執筆した記事『HOW NETFLIX DESIGNS WITH FLEXIBILITY』を公式に許可をいただき翻訳したものです。

Tech系大企業が次々と標準化されたデザインシステムを作る一方、メディア最大手の『Netflix』は、少々異なる方向に向かおうとしている。

Netflixはスピードと自由を尊重し、どのように働くかを各々のプロダクトチームに委ねている。つまり、彼らは“標準化”よりも“柔軟性”を大切にしているのだ。しかも、その柔軟性はとてもうまく機能しているという。

スピード+自由=イノベーション

「Netflixのプロダクトデザイナーは、ビジネスを成長させる機会を見極めることにフォーカスしている」と同社プロダクトデザイン ディレクターのAndy Law氏は語る。

「Netflixでは、どのデザイナーもビジネスの観点を持っています。ビジネスにおけるインパクトの大きさをどれほど正確に測れるかは人それぞれですが、会社全体のゴールに対し適切な判断ができる経験豊富なデザイナーを採用しています」

Netflixは「山(mountain)」もしくは「多変量(multivariate)」分析と呼ばれる独自プロセス*でイノベーションを推し進めてきた。この分析方法によって、UX向上に繋がる変化(たとえば、インターフェースやインタラクションデザイン、ナビゲーションパターン、ジェスチャーサポート、コンテンツへの変更)は、小さなサブセット(部分集合)単位でテストされるという。

(編集注:多変量解析とは一般的な統計方法。Netflixでデザインディレクターとして働いていたことのあるPaolo Malabuyo氏によると、同社の独自プロセスの「Mountain Testing」は「Multivariate testing(多変量解析)」の一種らしい)

Netflixでは、現状に疑問を持つ権限が渡されることでイノベーションが起き、デザインは成功の鍵を握る重要な要素だと考えている。

関連記事: How Netflix does A/B testing

デザイナーに大きな変更をもたらす自由を与えることに加え、Netflixはチームの全員がアイデアを試せるようにしている。誰もが良いアイデアを出し等しく評価されるべきだという哲学を実現するために、デザイン組織ではヒエラルキーを取り払いフラットな組織へと変化させたという。

Netflixでは、チームがより主体的に意思決定し、エンジニアリング・プロダクト・デザインを横断してより即時的にコミュニケーションをするために、デザイナーをクロスファンクショナルチームに配置している。(例えば、Phone&Tabletのチーム、Membershipチーム、”10フィートチーム”(テレビなど10フィート以上離れたところから人々を観察する)、オリジナルコンテンツチームなどがある)

「Netflixは標準化よりも柔軟性に価値を置く。そしてその柔軟性は上手く機能しているのだ」

関連記事: Netflix’s new font could save the company millions of dollars

Netflixのようにデザインする方法

もし自身の組織において“デザインの柔軟性”を重視したいと考えているのであれば、デザイナーに力を与えるために、以下の3つを試してみてほしい。

・デザイナーを平等に扱うこと

「デザインは他のロールと同等の席を持っています。それは、私たちがデザインが前向きな経験を生み出す上でのインパクトがあり、それがビジネスゴールの達成に繋がると証明したからです」
良いデザインが生み出す差異を大切にし、デザインは成果を追い求めつづけよ。

・テストし、学び、繰り返すこと

「挑む課題の複雑さによっては、何が有益な経験に寄与するかを特定するために、アイデアを複数回テストすることも必要でしょう」
そして、変化を起こす場合にはユーザーテストも欠かせないだろう。(たとえそれが小さな変化であっても)

・変革を推進するためにユーザーデータを使うこと

「リサーチとデータは我々の仕事の様々な場面で後押しになってくれます。データに基づいてプロジェクトを始めてた場合であっても、私たちはデータサイエンスと消費者インサイトのパートナーを活用し、常に調査しつづけることが必要です」
明白なベンチマークを元に変化しはじめていない場合、改良を追跡するのが困難だ。開始前に何を測ろうとしているのか、どこにいるのか知っておかなければならない。

本稿が掲載されている連載『The Design Genome Project』は世界の優れたデザインチームのDNAを探求し、何が成功を推進しているかを挙げ、デザインへ投資するための論拠の確立を手助けをするものです。

source: HOW NETFLIX DESIGNS WITH FLEXIBILITY
text: Will Fanguy
inner img: Inside Design: Netflix
translation: Airi Muraoka(@M402_

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デザインビジネスマガジン"designing"

designingはデザインとビジネスの距離を近づける"デザインビジネスマガジン"です。ビジネスパーソンがデザインに関心を持ち、デザイナーがビジネスを理解する機会提供をコンテンツを通して行い、社会のデザインリテラシー向上を目指します。

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