デザインシステムプラットフォーム『Adele』登場。各社が公開するデザインシステムを横串で検索・参照可能に
プロトタイピングツールやデザインシステム制作ツールを提供するUX Pinは、様々な企業・サービスが公開しているデザインシステムやデザインガイドライン等をまとめた、デザインシステムプラットフォーム『Adele』を公開した。
リリース当初は43のシステムが登録。検索機能が充実しており、レポジトリの種類から使用言語、コンポーネントの有無、JSのライブラリやフレームワークの種別、カラーパレットやタイポグラフィー、アクセシビリティガイドラインやUIキットの有無など、計30の切り口で検索できるようになっている。
システムの一覧画面
現状登録されているデザインシステムは『BBC』や『BuzzFeed』といったメディアから『Trello』『Dropbox』『Firefox』『Salesforce』などのサービス、『Audi』『IBM』といった企業まで幅広い。
Adeleに掲載されている、Audiの『Audi UI』
Adeleを開発するUX Pin CEO/Co-FounderのMarcin Treder氏はリリースで、現状のデザインシステム制作における課題を以下のように述べている。
ますます複雑化するWebおよびモバイルプロダクトにおいて、企業はデザインシステムとパターンライブラリに投資し始めました。
デザインシステムやパターンライブラリの作成は簡単なことではありません。無限ではないにせよ、多くの決定を必要とするプロセスで、組織の将来の設計と開発に大きな影響を与えます。
故に、デザインシステムをつくる上では、他社がどのように同じような問題を解決してきたかを学びながら作業を行います。しかし、githubのリポジトリやドキュメントは非常に価値があるものの、情報を深掘りするためには多くの時間と労力が必要でした。(一部抜粋・抄訳)
この課題を解決するプラットフォームが『Adele』ということだ。現状Adeleは無料かつ登録不要で利用可能。
Treder氏が述べているように近年、デジタルのコミュニケーションに一貫性を持たせる等の目的からデザインシステムの重要性は注目を集めており、大手企業を中心に徐々に浸透し始めている印象がある。とはいえ、これから制作する人にとってはどこまでカバーすべきか、何で記述すべきかなど、制作する上での検討事項は膨大だ。
30の検索機能など、デザイナー視点で必要な要素や知りたいポイントを上手く抑えているのも嬉しいところだろう。今後の拡張が楽しみだ。