ニュースレター『in designing』始めます
WIRED日本版で編集長を勤められた若林恵さんは、「メディアの価値は声の大きさではなくて、耳の良さ」とお話しされていました。
メディアの価値って、「声の大きさ」ではなくて、「耳の良さ」に宿るんですよね。『週刊文春』をみんながこぞって読むのは、声がでかいからではなく、そこが、ほかが聞き逃したり、見逃したりしている情報を掴むことができているからですよね。つまりは、アンテナの精度の高さであって、受信装置としてのクオリティなんですよ。
編集部というのは面白い組織体で、社会のなかからひたすら面白い人やもの、知られていないような情報を集めてきて、その何が情報として価値があって、社会にとってなぜその情報が重要なのか、といったことをひたすら議論している場所なんですよね。そして、それを記事化していくなかで、より思考の精度もあがり、それによって、さらにアンテナの解像度も高くなっていく、ということを延々やり続ける場所なので、まあ、やってる側にとっては、これはひたすら学びのプロセスなんですね。
実験的にではありますが、”designingの耳”を表に出せないかという試みとして、2021年2月よりニュースレータをはじめてみることにしました。
お届けするのは、編集部が出会った”兆し”です。例えばこういったもの。
- 記事を作る中で中で見つけた仮説や、行われた議論
- 編集部が気になったニュースの深読み
- リリースした記事の背景や記事内には盛り込めなかった情報
- その他編集部の雑感
“記事”という万人の目に触れるフォーマットでは難しいけれど、直接お届けする“手紙”だからこそできる、まだ柔らかい視点や情報をお届けできればと考えています。
『in designing』と名付けたのは、Inside(内側)の情報や、Incompelete(不完全)なものをとどけるInformal(非公式)な場といった意図から。
ツールには、ちょうどTwitterによる買収が発表されたオランダ発のサービス『Revue』を使っています。substackをはじめニュースレターサービスは増えてきている印象がありますが、Vox media, Venture Beatなども使っていること、Twitter傘下で面白い動きをするのではという期待を込めてこちらに。
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