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FLOWERを支える「かわいい」の体験価値——ROLLCAKE木坂名央 #UICrunch

2019年4月18日、『UI Crunch #14「スマートフォンを超えた体験を創る。導くUI」』が開催された。

現在はオンライン上で主に扱われるUIも、オフラインと行き来する現代においては、画面の中だけを考えデザインをしていてはユーザーにとって適切なアウトプットは生み出せない場面も増えている。

今回のUI Crunchは、オンラインとオフラインを横断し、人々の行動へと繋げるUIデザインにフォーカス。オフラインとオンラインを横断するサービスに取り組む、4組のデザイナーが登壇し、「スマートフォンを越えた体験」をいかに生み出してきたかが語られた。

本記事では、お花の定期便アプリサービス『FLOWER』を手掛けるROLLCAKE株式会社のデザイナー木坂名央氏が登壇したセッションをレポートする。

「お花を選ぶ」「届く」「飾る」体験

FLOWERは「かわいいが届く、ずっと無料のお花便」をコンセプトに掲げ、日々忙しく働いている女性をメインターゲットとしている。木坂氏は「お花を選ぶ」「届く」「飾る」の3つのシーンに分けて、サービスのこだわりを語った。まずは「お花を選ぶ」シーンだ。

木坂氏「FLOWERの特徴のひとつは、ユーザーがお花を選ベる点です。既存の定期購入サービスはお花を選べないものも多い中、FLOWERは少しでも自分の意思が入ることで、届くものに対して納得感が生まれると考えています。お花を選ぶ画面のUIは『選ぶ』ことに集中できるよう、写真を重ね一つひとつ見られるようにしたり、次回選べるお花を見せるレイアウトしました」

毎回2つの選択肢からお花を選び、2週間に1回、ユーザーの元に届く。お花の仕入れ・発送には商社と組みオペレーションを構築しているが、木坂氏は、季節や在庫状況に左右されるであろうお花の選択肢決めにも関わっているという。

木坂氏「弊社が考える“かわいいお花”を選ぶため、先方にイメージを共有し、セレクトを依頼。決定には、私が必ず関わります。ユーザーが意志決定するシーンを想定し『前回は白っぽいお花だったから、次は濃いめの色のお花にしようかな』と選べるよう、毎回違ったタイプのお花をセレクトし用意しています」

次は「届く」シーンだ。かわいいお花を“かわいい状態”で、ユーザーに届けるためにも工夫がある。まずは受け取るタイミングの工夫。できる限り元気なお花を受け取り忘れがないよう、ポストに投函されるとアプリでプッシュ通知が届くようになっている。加えて、箱の中にも“かわいい状態”への工夫が凝らされている。

木坂氏「お花が枯れたりせず元気な状態で届けるため、箱には1本1本水の入ったキャップに挿した状態で詰められています。開けた時にかわいさが際立つよう、箱の内側にはグレーに敷いていることも工夫のひとつです」

最後は「飾る」シーン。“かわいく飾れる状態”をつくるため、FLOWERではオリジナルの花器も製作している。花器は、ポストに入るお花の大きさ・長さから逆算し、ぴったりのサイズのものを用意した。

「かわいい」を体験の中心に

木坂氏のプレゼンテーションの中、木坂氏はあえて「かわいい」という言葉をあえて連呼した。というのも、FLOWERの特徴は、全てにおいて「かわいい」を貫いていることだからだ。なぜそこまで「かわいい」を貫くのか。それはROLLCAKE社における体験設計書に答えがあった。

木坂氏「先ほどから『かわいい、かわいい』と言っている理由は『ターゲットが女性だから』とか『かわいい方がいいよね』くらいのものではないんです。弊社では、サービス設計の根幹となる体験設計書を元にサービスを作り上げていきます。ここに書いてあることが我々が提供すべきものであり、ここから逸脱することはできません」

FLOWERを作り上げる上での原点がこの体験設計書には書かれている。日常的にお花を飾りたいが、なかなか続けられない人の阻害要因をサービス開発前に、ヒアリング。そこから見えてきた提供すべき価値や体験がこのドキュメントには記載されているという。「お花をかわいく飾れない」ことや「花屋に通うのは面倒」といった要因へフォーカスする意志決定もこのドキュメントにまとめられたものだ。

木坂氏「ヒアリングでは、かわいく飾るためのちょうどいい花器がなかったり、店舗に行く時間が取れなかったり、かわいいお花を自分で買うことができなかったり——といった様々な声がありました。それらの声を受け、FLOWERは、お花がただ届くだけでなく『必ずかわいい状態で飾れること』をサービス価値としたんです。必ずかわいい状態でお花を飾れるサービスだから、あらゆるシーンにおいてかわいいサービスである必要性・必然性がある。ゆえに、アプリのUIも箱も花器も全部、かわいさにこだわり抜いているんです」

[文]佐藤由佳 [写真]UI Crunch提供 [画像]FLOWER提供

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designingはデザインとビジネスの距離を近づける"デザインビジネスマガジン"です。ビジネスパーソンがデザインに関心を持ち、デザイナーがビジネスを理解する機会提供をコンテンツを通して行い、社会のデザインリテラシー向上を目指します。

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