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【翻訳】2018年版、UXデザイナーの給与トレンド予測

本記事はJustin Baker氏がMuzliにて2017年11月に公開した『2018's UX Designer Salary Forecast』を公式に許可をいただき翻訳したものです。

経験を積んだデザイナーであっても、地域と専門性によっては$80,000(900万円)もの大きな給与格差が生じる可能性がある。

あなたはどんなデザイナーだろうか?

デザインは現在最も注目されている、需要の高い領域だ。しかしながら、2018年は、経験豊富なデザイナーの給与レンジが広がる傾向が強くなりそうだ。

2000年代初頭、デザインは裾野が広い専門領域であると認識され始めたばかりで、誰もデザインがどのようなものであるかを分かっていなかった。

2010年代に入り、デザインは幅広い領域を体系化し始めた。その結果、境界線が曖昧であるにもかかわらず、多くの専門職が名乗られ始めた。グラフィックデザイナー、ビジュアルデザイナー、ウェブデザイナー、そしてUX, UIデザイナーだ。しかし企業は、自身が雇おうとしている人たちがどのような人たちで、どのようなタイプのデザインが求められているかを真に理解していたわけではなかった。デザイナー自身も、自分たちをなんと呼ぶべきか、明確には分かっていなかった。

2020年に向けて、われわれはより明確にデザイン業界の職種を分類できるようになってきている。具体的には、ビジュアルデザイナー、UXリサーチャー、UXデザイナー、インタラクションデザイナー、そしてプロダクトデザイナーという分類だ。忘れていけないのは、「明確」ではなく「より明確に」ということだ。企業は独自に各役職を定義しているが、これら職種はIndeedとLinkedInにおいてデザイン領域の求人の約85%をカバーしているという。

img: Robert Half

2018年のUXデザイナーの給与レンジ予想

では、その中でUXデザイナーの給与水準はどのようになるか。以下は Glassdoor社とRobert Half社の2017年のデータと2018年の予測を組み合わせたものだ。

ジュニアデザイナー:経験0-2年
・2018年の推定初任給:$45K - 88K(500-1000万円)
・2017年の中央値:$77K(860万円)
・給与の最高値と最大値の差:$43K(480万円)
・高い水準の給与に達するためには、一般的に1〜2年のインターンシップと様々なタイプの実績が載ったポートフォリオが必要とされる。ニューヨーク、ボストン、サンスランシススコ、ロサンゼルスといった海岸側には給与の高い仕事が豊富にある。
ミドルレベルデザイナー:経験2-5年
・2018年の推定初任給:$71K -108K(800-1200万)
・2017年の中央値:$86K(960万円)
・給与の最高値と最大値の差:$37K(410万円)
・これらのミドルレベルポジションには、専門的なデザインの経験が一定以上求められる。最多いポジションであり、通常はテック企業にも非テック企業にもいる。
シニアデザイナー:経験6-10年
・2018年の推定初任給:$84K — 160K(940-1800万円)
・2017年の中央値:$103K(1150万円)
・給与の最高値と最大値の差:$76K(850万円)
・2018年における際立った特徴は、シニアデザイナーが増え、ジュニアデザイナーよりも多く手が空く人が出るであろうことだ。企業は製品にすぐに価値を付与できるデザイナーを探している。そのため、企業はすぐさま新しいことに取り組める、経験に富んだデザイナーを求めている。通常、シニアデザイナーは自身の専門性が決まっている。例えばモバイル、ウェブ、IoTなど。こうした専門性は、技術チームではより重宝される。
プリンシパルデザイナー:経験10年以上
・2018年の推定初任給:$109K — 190K(1220-2100万円)
・2017年の中央値:$120K(1340万円)
・給与の最高値と最大値の差:$81K(900万円)
・プリンシパルデザイナーは原則としてデザインの特定の領域においてエキスパートである。大きなテック企業は複数のプリンシパルデザイナーを雇うことができるが、中小企業には1人いれば良い方だ。デザインはまだ新しい領域であるため、10年以上の商業デザイン経験を持ち合わせる人を見つけるのは大変困難である。また、流動性の高い領域でもあるため、多くの組織で、シニアデザイナーはプリンシパルデザイナーと同程度の価値しか発揮でないとみなされている。

2018年のUXデザイナーの給与中央値とトレンド

Robert Half社のThe Creative Groupは、UXデザイナーの給与の中央値を$93,000(1050万円)と予測している。

img: Robert Half

デザイナー職種数の変遷 2001-2025(Emsi Analyst 2017 | UX Designer Job Growth Over Time)


アメリカにおけるUXデザイナーの地域分布(iEmsi Analyst 2017 | UX Designer Job by Region (2016))


UXデザイナーの年収の推移 1997-2017(img: Nelson Norman Group)

アメリカ外を含む地域別のUXデザイナーの給与(UX Design Salaries Around The World — Hanno.co/CPIは2015年ベース)

UXデザイナーが受けたことのあるプログラム 2017–2018(UXPin|Enterprise UX Industry Report 2017–2018)

UXデザイナーの経験年数(Enterprise UX Industry Report 2017–2018)

まとめ

UXデザインのブームは続くと考えられるが、それぞれの役割に関して未だに厳密な定義は存在しない。シリコンバレーやニューヨークのような、熱が高まっているテックハブでは非テック地域よりも1.5倍から2倍高い給与が支払われる。

・129,000の企業に238,000人のUXデザイナーがいる。
・UXデザイナーとして働くための最もポピュラーな方法は、個人事業主としてフリーランスとして働くことだ。
・2018年アメリカのミドルレベルUXデザイナーが手にする年収の中央値は$93,000(1050万円)と予測される。
・65%のUXデザイナーが、デザインを独学で学んだ。
・今後5年以内に、デザイン業界は10%以上の伸長が見られると予測される。
・シニアデザイナーとプリンシパルデザイナーはもっと幅広い給与レンジとなる。需要の高さと、これまでの経験、専門性に依存しているためだ。企業は、市場相場や経験年数で給与を決めるのではなく、信頼に足る実績を持つデザイナーにトップクラスの給与を払いたいと考えている。
・ジュニアデザイナー職の需要は減少しつつある。企業はジュニアデザイナーを育てられるメンターがいないこともあり、新しいことに全力ですばやく取り組める熟練のデザイナーを探している。そのため、ジュニアデザイナーは個人事業主やフリーランスになるか、インターシップのポジションにつく傾向にある。

source: 2018's UX Designer Salary Forecast
text: Justin Baker
cover img: August.com Salary Negotiations for Designers
translation: Airi Muraoka(@M402_

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