見出し画像

【翻訳】SpotifyとApple MusicをUX視点で比較してみる

本記事はSean McGowan氏(Codalのテクニカルリサーチャー・ライター)が執筆した記事『UX Case Study: Spotify Vs. Apple Music Mobile Apps』を公式に許可をいただき翻訳したものです。『UX Case Study』は連載で、アプリをUXの観点で包括的にレビューしています。本記事が14回目。

今回ケーススタディを行うのは、最も比較されているモバイルプラットフォームのひとつであろう「Spotify」と「Apple Music」だ。

これら音楽ストリーミングサービスの二大巨頭は、強固にファンに支えられてきた。それと同時に、対比され続けてきた歴史を持つ。コスト、曲数、機能などが常に天秤に掛けられ、それを表すインフォグラフィックも世の中に数多く存在する。そのため今回は、純粋にUX観点で比較をしていきたい。

SpotifyとApple Musicが途方もなく複雑で広範なプラットフォームのため、全てのスクリーンやモジュールを徹底的に対比することは難しい。ゆえに、今回は両者ともが有する機能にフォーカスし、比較していく。

Player

SpotifyとApple Musicだけでなく、全てのミュージックアプリで最も重要なコンポーネントからはじめよう。まずはミュージックプレイヤーだ。

ふたつのプレイヤーを並べると、すぐに、二者が対照的であることが明らかになる。どちらのインターフェイスもアートワークを強調しようとしているが、そのアプローチは大きく異なるのだ。

まずApple Musicは白を基調としているのに対し、Spotifyはダークトーンを基調とする。

Spotifyはプレイヤー画面から多くのオプション(再生、スキップ、シャッフル、そしてリピート)へアクセスできるようになっており、より機能的な構成だ。機能的なインターフェイスを実現するために、Spotifyはボリュームコントロールを画面に設置していない。ユーザーはスマートフォン側面にあるボタンで音量を調整するという前提の元、ボリュームコントロールのUIを使用しなかったのだ。

一方Apple Musicはボリュームコントロールを用意している。ただ、筆者はこのボタンを使うことはこれまでの経験上無いと考える。なぜなら、AppleのイヤフォンにもiPhoneの本体横にもボリュームボタンが付いており、そちらの方が便利だからだ。

もうひとつ違いを挙げるならば、感じたのは、再生画面からアーティストページに行く際のインタラクション数だろう。Apple Musicの2タップに対し、Spotifyは2タップとスクロールを必要とする。少々Spotifyの方が手間がかかる。ただ、前述の違いと比べれば小さなものだ。

勝者:Spotify

Home Screen

SpotifyとApple Musicのホームスクリーンを比べると、その哲学の違いが見えてくる。

Apple Musicは、極端なまでのパーソナライゼーションを指向する。Apple Musicのホームスクリーンには、ユーザーのライブラリーが配置。画面のほぼ全てが、音楽への異なるアクセスポイントに占められている。(表示されている「プレイリスト」「アーティスト」「アルバム」「曲」--これら全ては、ユーザーの音楽への異なるアクセスポイントにすぎない)スクリーンの残りは「最近追加した項目」に占領されている。

ただ、このレイアウトはAppleの広告ターゲットである「音楽で頭が一杯な音楽好き」とは矛盾するように思える。「キュレートされたプレイリスト」でも「週間のトップチャート」でもなく、「既存のミュージックライブラリ」にアクセスしたい人に向けたレイアウトだからだ。Apple Musicのユーザーは、新しい音楽との出会いではなく、自身のライブラリーにアクセスすること求めている人なのだろう。

一方Spotifyのホームスクリーンは、ライブラリへのナビゲーション・バーは下部に配置されている。代わりに、ディスカバリー機能や、キュレートされた「ムード」のプレイリストがスクリーンを占有している。これは自分の既存プレイリストが好きな人向けではない。新しい音楽に出会ったり、音楽を気分作りやムード作りに使用する人向けだ。

結論:どう音楽を楽しむか次第

Discovery

ホームスクリーンでは異なる優先順位づけをしているものの、SpotifyとApple Musicは共に、ディスカバリー機能を「ユーザーが圧倒的な量の音楽を探索するのに役立つ」と考える。両者とも「ユーザーの好みに合わせ、音楽をキュレートして提供するアルゴリズムを用いており、時間の経過と使われる頻度に応じ、アルゴリズムは改善していく」と述べている。

では、ディスカバリー機能における差はどこに生まれるか。Apple Musicのディスカバリー機能について、以下を見て欲しい。

これがApple Musicのアルゴリズムにおけるインプット機能のひとつだ。提示されるジャンルに対して好みを選ぶことで、音楽がオファーされる。問題は、この奇抜なインターフェイスがユーザビリティに深刻な影響を与えていることだ。この円をタップしたり、指のスワイプで動かすのは容易ではない。

一方Spotifyのディスカバリー機能は、その体験の質が賞賛されるのも納得がゆく。特に「Discover Weekly」はすばらしい。ユーザーの好みに応じたプレイリストを明示し蓄積している。このディスカバリー機能は、Googleが模倣するほど優れている。Appleのように好みを登録する必要がないのも明らかに優れているといえるだろう。

勝者:Spotify

結論

どちらも、幅広い音楽、ディスカバリー機能、容易にアクセスし管理しやすいライブラリーを提供している。ただUIとUXにおいてはSpotifyがAppleよりも優れていると言えるだろう。

Spotifyはそのダークトーンのインターフェイスと、人間工学的な効率を考えたミュージックプレイヤー、そして圧倒的な利便性を有するディスカバリー機能・ページで成功を収めている。1億6,000万人以上のユーザーがおり、更にユーザーが増え続けているのには理由があるのだ。

source: UX Case Study: Spotify Vs. Apple Music Mobile Apps
text: Sean McGowan
cover img: bruce mars via Pexels
translation: Airi Muraoka(@M402_


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

最後までお読み頂きありがとうございます。 取材依頼/リリース送付/スポンサードコンテンツ/その他ご相談等は press@designing.jp まで御連絡いただけると嬉しいです。

133

デザインビジネスマガジン"designing"

designingはデザインとビジネスの距離を近づける"デザインビジネスマガジン"です。ビジネスパーソンがデザインに関心を持ち、デザイナーがビジネスを理解する機会提供をコンテンツを通して行い、社会のデザインリテラシー向上を目指します。

デザインビジネスマガジン"designing"

designingはデザインとビジネスの距離を近づける"デザインビジネスマガジン"です。ビジネスパーソンがデザインに関心を持ち、デザイナーがビジネスを理解する機会提供をコンテンツを通して行い、社会のデザインリテラシー向上を目指します。
5つ のマガジンに含まれています
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。