デザインビジネスマガジン"designing"

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デザイン読書補講 6コマ目『パン屋の手紙——往復書簡でたどる設計依頼から建物完成まで』

はじめまして。中村将大ともうします。ふだんはデザインの教育を中心に仕事をしています。すでにこの『デザイン読書補講』で、連載をされている吉竹遼さんと、これから月ごとに交代しながら記事を更新していきます。デザインの実用書はもちろん、それをささえる教養となるもの、視点や考えのヒントになるものなどなど、いわゆるデザイン本に限らず、紹介していこうと考えています。みなさんがデザインに携わるどこかで、この記事が

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デザインで環境を「脱構築」する——書評『マイノリティデザイン』

「弱さ」は不可避だ。どうがんばってニュートラルになろうとしたところで、人は無色透明になり続けることができない。何かを選択すれば、「強者」の立ち位置につくのか、あるいは「弱者」の側につくのかが、半ば自動的に決まる。そしてその図式を崩すことは難しく、それぞれの立場から「弱さ」と向き合うことになる。

マジョリティ(多数派)とマイノリティ(少数派)の関係も、この「強者」と「弱者」という図式とパラレルにあ

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デザイン読書補講 5コマ目『バイナリ畑でつかまえて』

こんにちはこんばんは、吉竹です。

この『デザイン読書補講』は「デザインを学び始めた人(主に学生)の世界を少しでもひろげられるような書籍をおすすめする」をコンセプトに連載しています。

わたしの自己紹介や、この連載が生まれた経緯は1コマ目『UX・情報設計から学ぶ計画づくりの道しるべ』で書いていますので「どういう人が書いているんだろう?」と気になった方は合わせて読んでみてください。

今日の1冊デザ

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行動は「創造」ではなく「編集」せよ——書評『行動を変えるデザイン』

現代社会における大きな潮流として、「行動はデザインできる」という考え方がある。UXという概念がこれほど浸透していることからもわかるように、こうした考え方はもはや当たり前のものと見なされている。最近では行動科学の知見を応用し、従業員や顧客の行動を変化させるために、Chief Behavioral Officer (CBO:最高行動責任者)と呼ばれる役割を設けている組織もあると聞く。

では具体的に「

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デザイン読書補講 4コマ目『ポール・ランド、デザインの授業』

こんにちはこんばんは、吉竹です。

この『デザイン読書補講』は「デザインを学び始めた人(主に学生)の世界を少しでもひろげられるような書籍をおすすめする」をコンセプトに連載しています。

わたしの自己紹介や、この連載が生まれた経緯は1コマ目『UX・情報設計から学ぶ計画づくりの道しるべ』で書いていますので「どういう人が書いているんだろう?」と気になった方は合わせて読んでみてください。

今日の1冊デザ

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デザイン読書補講 3コマ目『具体と抽象 ―世界が変わって見える知性のしくみ』

こんにちはこんばんは、吉竹です。

この『デザイン読書補講』は「デザインを学び始めた人(主に学生)の世界を少しでもひろげられるような書籍をおすすめする」をコンセプトに連載しています。

わたしの自己紹介や、この連載が生まれた経緯は1コマ目『UX・情報設計から学ぶ計画づくりの道しるべ』で書いていますので「どういう人が書いているんだろう?」と気になった方は合わせて読んでみてください。

今日の1冊

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デザインリサーチは創造性を育む「しばりプレー」——書評『デザインリサーチの教科書』

「デザインリサーチ」という言葉を、どれくらい正確にご存知だろうか。

本書『デザインリサーチの教科書』によると、日本だとまだあまり聞き慣れないこの概念は、すでに欧米では一般的な手法となりつつあり、専門職としてのデザインリサーチャーの需要は高まるばかりだという。一方で日本では、まだまだ体系化が進んでおらず個々のデザイン会社、デザイナーが手探りでおこなっている状態と著者は述べている。

実際、UXデザ

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デザインに、ゲーミフィケーションを超えた「遊び」を実装せよ——書評『プレイ・マターズ』

デザイナーが遊びに関する本、それも哲学書をわざわざ読む意味はどこにあるのだろうか?

ある種のデザインが、遊びと密接に関わっているのは事実だ。ビデオゲームやボードゲーム、おもちゃや遊び場、それからユーザーインターフェイス、インタラクションデザインまで、遊びと関わるデザイナーの仕事は実際のところ多い。

とはいえ、その「哲学書」——実務で役に立たないことでよく知られている——まで読むというのは、ただ

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デザイン読書補講 2コマ目『はじめての編集』

こんにちはこんばんは、吉竹です。2021年もよろしくお願いします。

この『デザイン読書補講』は「デザインを学び始めた人(主に学生)の世界を少しでもひろげられるような書籍をおすすめする」をコンセプトに連載しています。

わたしの自己紹介や、この連載が生まれた経緯は1コマ目『UX・情報設計から学ぶ計画づくりの道しるべ』で書いていますので「どういう人が書いているんだろう?」と気になった方は合わせて読ん

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「なめらか」ではなく「ぎこちない」デザインを——書評『クリティカル・デザインとはなにか?』

ここまで「デザイン」という言葉が注目された時代は、ひょっとするとこれまでなかったかもしれない。

書店にいけば、“デザイン関連書籍”以外でも各所で「デザイン」の文字を見つけられる。「デザイン思考」のおかげもあり、一般的なビジネスパーソンも多かれ少なかれ、「デザイン」という言葉を意識するようになった。

だが「クリティカル・デザイン」は、昨今のデザインにおける隆盛とはまったく別のアプローチをとる。そ

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