デザインビジネスマガジン"designing"

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成功する「協働」と失敗する「協働」は何が違うのか?——書評『コ・デザイン』

「デザイン」という言葉は、一般的に見て敷居が高く感じられるものらしい。曰く、デザイナーといえばクリエイティブな存在であり、センスが良くなければなることができない−−そういう認識を持つ人は、いまだに少なくない。

たしかに、特別な才能に恵まれた(かのように見える)スターデザイナーがいるのは間違いない。その一方で、デザインという言葉がさまざまな文脈で用いられるようになり、デザイナーが関わる領域も増えつ

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デザイン読書補講 8コマ目『陰翳礼讃』

こんにちは。中村です。僕が担当する『#デザイン読書補講』の2回目となります。前回は、中村好文+神幸紀『パン屋の手紙』(筑摩書房)をあつかい、デザインはだれによって、デザインされるのか——そうした「そもそも」のことについて、つくり手たる建築家と、クライアント、そして場の関係性ついて、考えてみました。

さて今回は、少し時間をさかのぼり、昭和初期に記された書物を紹介します。しかも、デザイン関連の人が書

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創造性をもたらすのは、2つの「余白」である——書評『コンテクストデザイン』

「余白があること」と「白紙であること」は同じではない。
何かを書くとき、あるいはつくるとき、何も制限されないまったくの白紙から始まることは、そうそうないはずだ。

どんなテクスト(創作物)も、そこにはコンテクスト(文脈)がある。創作物は多かれ少なかれ、何らかの文脈に立脚するものだ。いかに独創的に思えるものでも、何もないところからは生まれない。豊かなテクストが生まれるためには、肥沃なコンテクストが必

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デザイン読書補講 7コマ目『「カッコいい」とは何か』

こんにちはこんばんは、吉竹です。

この『デザイン読書補講』は「デザインを学び始めた人(主に学生)の世界を少しでもひろげられるような書籍をおすすめする」をコンセプトに連載しています。

わたしの自己紹介や、この連載が生まれた経緯は1コマ目『UX・情報設計から学ぶ計画づくりの道しるべ』で書いていますので「どういう人が書いているんだろう?」と気になった方は合わせて読んでみてください。

そういえば5コ

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批判こそが「意味」を研ぎ澄ます——書評『突破するデザイン』

贈り物をするのは、「つくる」という行為を通してのみ可能である。意味を創造する究極の喜びを楽しむのも、「つくる」という行為を通してのみ可能である。贈り物は人々のためであるが、贈り物をつくる行為は私たちのためだ。(p.306)

「誰かのため」という言葉や想いに反論するのは難しい。利己的な姿勢は、当然ながら(多くの場合)たしなめられる。私たちに求められるのは、自分の発想や感性を押し付けるのではなく、相

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デザイン読書補講 6コマ目『パン屋の手紙——往復書簡でたどる設計依頼から建物完成まで』

はじめまして。中村将大ともうします。ふだんはデザインの教育を中心に仕事をしています。すでにこの『デザイン読書補講』で、連載をされている吉竹遼さんと、これから月ごとに交代しながら記事を更新していきます。デザインの実用書はもちろん、それをささえる教養となるもの、視点や考えのヒントになるものなどなど、いわゆるデザイン本に限らず、紹介していこうと考えています。みなさんがデザインに携わるどこかで、この記事が

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デザインで環境を「脱構築」する——書評『マイノリティデザイン』

「弱さ」は不可避だ。どうがんばってニュートラルになろうとしたところで、人は無色透明になり続けることができない。何かを選択すれば、「強者」の立ち位置につくのか、あるいは「弱者」の側につくのかが、半ば自動的に決まる。そしてその図式を崩すことは難しく、それぞれの立場から「弱さ」と向き合うことになる。

マジョリティ(多数派)とマイノリティ(少数派)の関係も、この「強者」と「弱者」という図式とパラレルにあ

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デザイン読書補講 5コマ目『バイナリ畑でつかまえて』

こんにちはこんばんは、吉竹です。

この『デザイン読書補講』は「デザインを学び始めた人(主に学生)の世界を少しでもひろげられるような書籍をおすすめする」をコンセプトに連載しています。

わたしの自己紹介や、この連載が生まれた経緯は1コマ目『UX・情報設計から学ぶ計画づくりの道しるべ』で書いていますので「どういう人が書いているんだろう?」と気になった方は合わせて読んでみてください。

今日の1冊デザ

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行動は「創造」ではなく「編集」せよ——書評『行動を変えるデザイン』

現代社会における大きな潮流として、「行動はデザインできる」という考え方がある。UXという概念がこれほど浸透していることからもわかるように、こうした考え方はもはや当たり前のものと見なされている。最近では行動科学の知見を応用し、従業員や顧客の行動を変化させるために、Chief Behavioral Officer (CBO:最高行動責任者)と呼ばれる役割を設けている組織もあると聞く。

では具体的に「

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デザイン読書補講 4コマ目『ポール・ランド、デザインの授業』

こんにちはこんばんは、吉竹です。

この『デザイン読書補講』は「デザインを学び始めた人(主に学生)の世界を少しでもひろげられるような書籍をおすすめする」をコンセプトに連載しています。

わたしの自己紹介や、この連載が生まれた経緯は1コマ目『UX・情報設計から学ぶ計画づくりの道しるべ』で書いていますので「どういう人が書いているんだろう?」と気になった方は合わせて読んでみてください。

今日の1冊デザ

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