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designing|デザインビジネスマガジン

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デザインの可能性を探究するメディア『designing』のnoteです。事業に寄与するデザインから、クラフト・クリエイティブ、デザイン思想・倫理、広義にデザインと捉えられる活動ま… もっと読む
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デザインドリブン“ではない”組織を乗りこなす4つの視点

デザインとは何か——。 Appleのプリンシパルエンジニアであったケン・コチエンダは、著書『Creative Selection Apple 創造を生む力』で、以下のスティーブ・ジョブズの言葉を引用した。 「デザインとは、どのように機能するかだ(design is how it works)」 シンプルで掴みどころがなく、考えさせられる言葉だ。ユーザーが惹かれるのは、プロダクト自体であり、形態は機能に従う。機能にまつわるあらゆるものがデザインである。デザインは目的のため

Microsoftデザインストラテジストが「ペルソナ」に警鐘を鳴らす理由

Microsoftでインクルーシブデザインの実践や探究を担うMargaret Price氏。自身のブログ記事『Kill Your Personas』においてペルソナだけでは捉えづらいものを指摘し、人の動機やコンテクストをグラデーションで捉える「ペルソナ・スペクトラム」を紹介する。 人の抱える課題の多様さや複雑さを、どのように掬い上げ、プロダクトやサービスに落とし込んでいくのか。2018年に公開された記事だが、示唆に富む内容であったため、読者の皆さんと共有したいと思った。以下

「共感」が負債に。元GoogleのUXリサーチャーが語る、デザイナーのメンタルヘルス問題

自分自身という「人間」を理解すること記事の内容を紹介する前に『HmntyCntrd』やCastillo氏について紹介しておきたい。 『HmntyCntrd』は、人間中心なUXデザインのためのオンラインコースやコミュニティを提供している。2021年にはFast Companyの『最もイノベーティブなデザインカンパニー』にも選ばれた。以下はコース内容を一部抜粋したものだ。 人間中心なデザインを実践するときに直面する苦悩と対処法 包括的かつ公平なリサーチとステークホルダーのニ

Shopifyのプロダクトデザイナーが重視する、デザインを適切に”伝える”技術

本記事はShopifyのSenior Product Designer・Kazden Cattapan氏が、Shopify UXに寄稿した記事『Design communication is a critical skill』を公式に許可をいただき翻訳したものです。 デザイナーは、ステークホルダーにデザインについて説明するとき、ワイヤーフレームやフローダイアグラム、モックアップなどの便利なツールを駆使する。視覚的なアーティファクト(中間成果物)を使って、コミュニケーションす

UXデザインはどこで道を間違えたのか?Adaptive Path共同創業者の見解

「UXは、今や一つのコミュニティ、あるいは一つの手法で捉えられないほど、大きな存在となった」 そう、UXの現在地を語るのは、Jesse James Garrett氏。2001年にデザインエージェンシーAdaptive Pathを共同設立。著書『The Elements of User Experience』で提唱した「UXの5段階モデル」でも知られる。 業界の先駆者は、Fast Companyに寄稿した記事『I helped pioneer UX design. What

Aesopによる意味のデザインとは?ブランドの表現から探る

飾り気のないパッケージ、陰影の濃い照明、礼儀を重んじる接客——。 Aesopの創り上げたプロダクトや体験に深く魅せられた、デザイナーのParker Simons氏。世界中のシグネチャーストアを巡りながら、彼らがどのように思想やバリューを表現しているのか、どのように新たな意味や価値を創出しているのかを観察していった。 本記事は、その観察結果をまとめたブログ『The Architecture of Meaning: Aesop』を、公式に許可をいただき、翻訳したものだ。ブログ

ダークパターンに加担しない、UXライティングの手引き【翻訳】

たった一つの言葉によって、ユーザーを望まぬ行動へと誘導してしまうかもしれない。 DropboxやSlackでUXライティングやコピーライティングに携わったAndrea Drugay氏は、UXライティングにおいてもダークパターンが存在すると語ります。 Drugay氏がDropbox Designに寄稿した『The role of UX writing in design ethics』では、ユーザーに害を与え得るダークパターンや出来の悪いコピーの例と、回避するための考え方を

【翻訳】UXデザインの力を信じるために、私たちが考えるべきこと

チョウチンアンコウが小さな突起物で小魚を捕まえ、腹を満たすように。巨大テック企業はUXによってユーザーを搾取し、利益を得ている。日本のデザイン界隈でも話題になった記事『Why I’m losing faith in UX 』で、Mark Hurst氏はUXへの落胆を表しました。 彼に返信を送ったのが、Scott Berkun氏。MicrosoftやWordPressでUIやUX、エンジニアリングに携わり、デザインやクリエイティビティをめぐる複数の著作でも知られています。『H

“穏やかさ”を深めるデザインを。オランダのデザインスタジオMomkaiが掲げる原則

いくつもの顔を持つデザインだが、それは一貫して「世の中に起こるあらゆる変化——社会、政治、経済、科学、技術、文化、環境、その他——が人々にとってマイナスではなくプラスに働くように翻訳する《変革の主体》としての役割」を担ってきた。 これは、The New York Timesのデザイン評論家 アリス・ローソーン氏による定義だ。彼女は著書のなかで、デザインが商業的な価値を創出するだけでなく、医療や環境など幅広い社会問題の解決に貢献した例を挙げている。それらをふまえ、デザインは「

【翻訳】“意味”を持ったプロダクトをデザインするために

本記事は、Brian Pagán氏が、Notewortlyに寄稿した記事『How to Design Meaningful Products』を公式に許可をいただき翻訳したものです。 どんなに素晴らしいデザインであったとしても、プロダクト自体が意味があるものでなければ、成功はしない——。 人は何のために生きているか。我々は画面をスワイプし、モノを購入し消費するためだけに生きているのではない。生活し、愛し、「人間らしくあるため」に存在している。ゆえに、プロダクトは「人間らし

シリコンバレーのデザインリーダーから学んだ6つのこと

本記事は、Chris Lee氏がMuzliに寄稿した記事『6 Things I Learned Interviewing Design Leaders From the Valley’s Top Companies』を公式に許可をいただき翻訳したものです。 プロダクトデザイナーとして働く上で、私はピープルマネジメントにも関わっている。 ただ、私はこの領域の専門ではない。そこで、世界のトッププレイヤーはどのように考えデザイナーのマネジメントを行っているかを学ぼうと考えた。

Capital Oneはどのように“ユーザーファースト”でデザインしているのか。

本記事はWill Fanguy氏がInVision Blogに執筆した記事『HOW CAPITAL ONE DESIGNS FOR CUSTOMERS FIRST』を公式に許可をいただき翻訳したものです。 Capital Oneは金融サービス業界の中で、『デザイン』おいて際立っている。イノベーションと優れたデザインを得意とする、彼らのプロダクトにもそれが見て取れる。同社がもっとも重きを置いているのは「顧客のニーズを満たし、期待を上回るプロダクトを作り出すこと」だ。 Cap

【翻訳】2018年版、UXデザイナーの給与トレンド予測

本記事はJustin Baker氏がMuzliにて2017年11月に公開した『2018's UX Designer Salary Forecast』を公式に許可をいただき翻訳したものです。 経験を積んだデザイナーであっても、地域と専門性によっては$80,000(900万円)もの大きな給与格差が生じる可能性がある。 あなたはどんなデザイナーだろうか?デザインは現在最も注目されている、需要の高い領域だ。しかしながら、2018年は、経験豊富なデザイナーの給与レンジが広がる傾向が

【翻訳】SpotifyとApple MusicをUX視点で比較してみる

本記事はSean McGowan氏(Codalのテクニカルリサーチャー・ライター)が執筆した記事『UX Case Study: Spotify Vs. Apple Music Mobile Apps』を公式に許可をいただき翻訳したものです。『UX Case Study』は連載で、アプリをUXの観点で包括的にレビューしています。本記事が14回目。 今回ケーススタディを行うのは、最も比較されているモバイルプラットフォームのひとつであろう「Spotify」と「Apple Musi