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designing|デザインビジネスマガジン

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デザインの可能性を探究するメディア『designing』のnoteです。事業に寄与するデザインから、クラフト・クリエイティブ、デザイン思想・倫理、広義にデザインと捉えられる活動ま… もっと読む
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2021年11月の記事一覧

デザイン読書補講 10コマ目『わかりやすい民藝』

こんにちは。中村としては三回目のデザイン読書補講となります。 はやくも年末にむかう季節となりました。もしかするとこの年末年始には、しばらくぶりの旅にでられる方も、なかにはいらっしゃるかもしれません。様々な地をめぐるとき、ならではの食を口にすることはもちろん、その場の空気や風土に身をゆだね、地域の物々に触れるのは、ひとつのたのしみです。 そうしたとき、ふと民藝という言葉が浮かぶ方もいるでしょう。近年、いっそう目にするようになった印象もある「民藝」。地方・地域といったイメージ

Wantedlyとともに、デザイナーのキャリアを拓く取り組みを始めます

デザインの可能性が「広がり続けること」は、デザイナーが可能性を「広げ続けられること」とは必ずしも同義ではない。 無論、その可能性を最大限活かし、新たな価値創造や価値発揮、課題解決、意味を見出す者もいる。他方で、増え続ける選択肢から選び取る負荷やその責任が増え続けるともいえるのではないか。 その中で、デザイナーがどうその“道筋”を見出すか——designingでは、その補助線を引くべく、ウォンテッドリー株式会社が運営するビジネスSNS「Wantedly」とコラボレーション。

良い顧客体験は経営上の資産。メルカリが3年以上CXに注力する理由

「メルカリはCXを重視する。この姿勢は今後さらに強化します」 デザインを語る上で、CEOが登場する機会はそう多くない。しかし、メルカリジャパンCEOの田面木 宏尚(たものき・ひろひさ)は、ともすればデザイナーよりも雄弁に、その必要性を語り尽くしてくれる。 2013年の立ち上げから8年。破竹の勢いで成長を遂げたメルカリは、今やフリマアプリのみならずCtoCサービスの代名詞になった。その勢いは国内にとどまらず、長く苦戦を強いられてきたUS市場でも、コロナ禍による急激な市場環境

デザインもマネジメントも「個に向き合うこと」は変わらない──メルペイ成澤真由美

プレイヤーか、マネジメントか。デザイナーとしてのキャリアを積む中、この選択を前にする人は決して少なくないだろう。 最前線を常に切り開き、自分の手によって価値を積み上げる/チームを率い、自分ではなく皆でより大きなインパクトを狙う——それまで積み上げた価値観・経験から、各々にとっての“正解”は分かれていく。 ことデザイナーにとってマネジメントは未知の領域のはず。かつ、チームや組織、上司、企業によってもそこに求められる役割も責任も異なる。「デザインマネージャー」といってもその実

「共感」が負債に。元GoogleのUXリサーチャーが語る、デザイナーのメンタルヘルス問題

自分自身という「人間」を理解すること記事の内容を紹介する前に『HmntyCntrd』やCastillo氏について紹介しておきたい。 『HmntyCntrd』は、人間中心なUXデザインのためのオンラインコースやコミュニティを提供している。2021年にはFast Companyの『最もイノベーティブなデザインカンパニー』にも選ばれた。以下はコース内容を一部抜粋したものだ。 人間中心なデザインを実践するときに直面する苦悩と対処法 包括的かつ公平なリサーチとステークホルダーのニ

生み出すべきは、個々の「生活に寄り添う」デザイン──ソウゾウ鈴木伸緒

こと急成長を前提とするベンチャー・スタートアップにおいて、一社に何年も所属し続けるケースは、比較的珍しいのではないか。事業フェーズ、自身の欲する経験、ライフステージなど多様な内外の変化に合わせ、新たな環境を選択するものも少なくない。 そこから鑑みると、メルカリの急成長期に入社し、上場を経てなおその環境で挑戦を続ける鈴木伸緒は、少々レアケースに映るかもしれない。 メルカリ3人目のデザイナーとして2015年11月に入社して以降、メルカリのUS・UK事業(UKは2018年に撤退